バブル期の到来を迎えた台湾
その出会いが、図らずも少年に
ある選択を迫ることになる…

台北郊外に父と二人で暮らすリャオジエ。コツコツと倹約しながら、いつか、自分たちの家と店を手に入れることを夢見ている。ある日、リャオジエは“老獪なキツネ”と呼ばれる地主・シャと出会う。優しくて誠実な父とは真逆で、生き抜くためには他人なんか関係ないと言い放つシャ。バブルでどんどん不動産の価格が高騰し、父子の夢が遠のいていくのを目の当たりにして、リャオジエの心は揺らぎ始める。
図らずも、人生の選択を迫られたリャオジエが選び取った道とは…!?

台北金馬映画祭4冠!
侯孝賢が次世代を託した
蕭雅全による
心を打つ感動の物語

主人公リャオジエを演じるのは、台湾きっての天才子役バイ・ルンイン。89年の生活になじむため、撮影の3ヶ月前から携帯電話の使用を自ら封印する徹底した役作りと確かな演技力で、観る者をスクリーンに引き込む。リャオジエの父親リャオタイライを、『1秒先の彼女』での好演が記憶に新しい実力派俳優リウ・グァンティンが演じる。また、地主のシャには、台北金馬映画祭で助演男優賞に輝いたアキオ・チェン。正反対の人生を送る大人二人が、少年を成長させていく。さらに、日本からは門脇麦がリャオタイライの幼馴染・ヤンジュンメイ役として出演。台湾・日本合作作品ならではの配役で物語に花を添える。

監督を務めるのは、侯孝賢監督の助監督を務め本作で台北金馬映画祭・監督賞を受賞したシャオ・ヤーチュエン。何よりも、思いやりの大切さを伝えたいと願い、自身の経験を踏まえた本作。ホウ・シャオシェンが製作総指揮を務め、台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ次世代の幕開けを垣間見ることができる作品が誕生した。

さらに、Yellow黃宣がしっとりと奏でるエンディング・テーマ「When I Fall In Love」も必聴だ。

  • 1967年12月20日生まれ。
    国立芸術学院在学中より精力的に制作を始める。97年にホウ・シャオシェンの「One Night in Taipei」のミュージックビデオを手がけ、翌98年に『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(ホウ・シャオシェン監督)で助監督を務める。00年に長編映画初監督作品“Mirror Image”で第54回カンヌ国際映画祭監督週間に参加、第3回台北映画祭で最優秀映画賞、新人監督賞、第19回トリノ映画祭新人監督賞など多数受賞。03年に積木影像製作公司を設立、映画制作以外に短編やCM撮影を多数手がける。10年に2作目となる“第36個故事”で第12回台北映画祭観客賞、第47回台北金馬映画祭最優秀映画音楽賞を受賞する。18年に監督した“Father to Son”は第20回台北映画祭のオープニングを飾り、最優秀監督賞を受賞した。長編4作目となる本作で第60回台北金馬映画祭最優秀監督賞に輝いた。

  • 1967年11月19日生まれ。
    4歳からクラシックピアノを習い始め、台湾で開催された第2回ヤマハ音楽コンクールで最優秀賞に輝く。89年にファーストアルバムをリリース後、95年より音楽プロデューサーとして数多くのCMや映画音楽を手がける。主な参加作品に『藍色夏恋』(02/イー・ツーイェン監督)、『あの頃、君を追いかけた』(11/ギデンズ・コー監督)、『私の少女時代-Our Times-』(15/フランキー・チェン監督)など。シャオ監督の長編作品の音楽は全て手掛けており、”Father to Son”で第20回台北映画祭最優秀作曲賞を受賞、本作で第60回台北金馬映画祭最優秀映画音楽賞に輝いた。

  • 武蔵野美術大学映像学科卒業後、91 年にデザインに携わり始め、06 年に広告や映画に特化したプロダクション・デザイン会社を設立。主な映画参加作品に『憂鬱な楽園』(96/ホウ・シャオシェン監督)、『ミレニアム・マンボ』(01/ホウ・シャオシェン監督)、『トロッコ』(09/川口浩史監督)、『グランド・マスター』(13/ウォン・カーウァイ監督)、『空海−KU-KAI− 美しき王妃の謎』(17/チェン・カイコー監督)、『1秒先の彼女』(20/チェン・ユーシュン監督)などがある。また、リュック・ベッソン監督作品『LUCY』(14)やマーティン・スコセッシ監督作品『沈黙 -サイレンス-』(16)の台湾パートで美術を務めるなど、国際共同制作において豊富な経験を積む。シャオ監督とは”Father to Son”(18)に続き2作目となる本作で、第60回台北金馬映画祭美術賞にノミネート、最優秀メイクアップ&衣装デザイン賞を受賞した。

  • 1947年4月8日生まれ。
    72年に国立芸術専科学校の映画・演劇科を卒業後、スクリプター、助監督を経て、80年に『ステキな彼女』で監督デビュー。83年に長編第4作の『風櫃の少年』、翌84年に『冬冬の夏休み』を続けて発表し、2年連続で第6回・7回ナント三大陸映画祭グランプリに輝く。85年には『童年往事-時の流れ-』が第36回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、国際的に注目を集める。89年、台湾歴史上タブーとされてきた“2・28事件”をテーマに描いた『悲情城市』が第46回ヴェネチア国際映画祭で中華圏の映画として史上初の金獅子賞を獲得。93年、『戯夢人生』で第46回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞。以後、『好男好女』(95)から『ミレニアム・マンボ』(01)まで、4作続けてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出された。03年には一青窈と浅野忠信を主演に迎えた日本映画『珈琲時光』を手掛けた。15年に最後の監督作品となる『黒衣の刺客』で第68回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞、23年に引退を発表した。本作が最後のプロデュース作品となる。